鎌倉の狐*利玄巡礼(Rigen Pilgimage4)
おまけ 🦊 Bonus
キツネ目の男ならざる狐面の男ありけりあぶらげ供へ
お稲荷の山の狐は死なせない寒施行せよニンジャホワイト
もひとつ、おまけ🥕
利玄があと20年長生きしていたら…
人参を二分の一本みぢん切りお酒と塩と一緒に釜へ
炊飯器のスイッチ入れて正月の残りのごまめ空煎りしましよ
オフの日のランチは古代羅馬風赤葡萄酒の炭酸割り(SPRITZER)を
(google search)
(All Rights Reserved)
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by snowdrop-nara
| 2024-02-29 06:29
| 旅
富士の山*利玄巡礼(Rigen Pilgrimage3)
2月23日は富士山の日
七里ケ浜の犬
木下利玄「富士山へ上る」より(『一路』)
地球(ちきう)はめぐりけらしも起きて見れば澄みつかれたる星々の光
眼をはなつこの大傾きをこつこつと攀ぢつめしかもよ頂上にあり
大傾(なだ)れたよるものなきに足ふみ入れ山酔(やまよひ)頭痛堪へたへ下る
同日午後、東海道新幹線(京都行)からみた富士山
「白樺」唯一の歌人として活躍した木下利玄(1886-1925)。
旅行詠も多く、富士に登ったり山の湯に入ったり九州の海を見たり。
気宇の大きな骨太の歌も多くて、うれしくなります。
学習院在学中に、瀧精一の日本美術史の講義を熱心に学んだ彼は
高野山阿弥陀聖衆来迎図の展示(東京国立博物館)を見逃さず、
古美術の宝庫たる奈良や京都も繰り返し訪れています。
春日大社藤浪之屋 (2016年)
木下利玄「宵宮の燈籠」より(『一路』)
吾嬬(あづま)はもはぐれぬやうによりそへり宵宮詣での人出のなかに
春日山宵のともし火燈籠の障子にとろりまたたけり見ゆ
燈籠のいくつのあかりほのぼのと丹ぬり柱の円(まろ)みあかるむ
春日大社回廊(2016年)
利玄を慕ひてsnowdropの詠める
東(あづま)より来りて奈良をそぞろあるく歌人夫妻をもとめてゆかな
利玄にも健やかなる日々ありにけりしみじみ写すそのダイアリー
here are
calm and warm days
for Rigen, delicate poet
I copy a part of his diary
earnestly and keenly
利玄の日記より
(大正十年十一月二十七日、日曜、晴)
「昼前一寸照子と下の山畑を歩く。
(…)梅の二三輪を見た。
午後、玄、海岸へ出てみた。海おだやかに、
漁師が桶を波打ち際に洗つてをり、
砂地に西洋人の母が子を遊ばせてゐた。
夜、新しき村の為の本の原稿うつす」
富士山の日の三日後旅立ったブロ友は、山ガールでした。
若いころは登山をよくし、渡仏後もカレンダーなどで
日本の山を懐かしんでいました。
カレンダーをめくる傍らには必ず、愛犬のカシュ―がいました。
友の旅立ちの露払いのように、二ケ月前の28日に旅立ちました。
そのことを綴った友のブログ記事ほど心に沁みる
愛犬の追悼の文章を読んだことがありません 🐶
富士山と犬
いつからかカシューナッツも食べられるやうになつたの哀しいけれど
人間のカシューナッツより大きいね鳥の運んできた楝の実
けふは皮も剥いてくれたの栴檀の実は熟すまで毒があるとか
贈り主は君かい?
#
by snowdrop-nara
| 2024-02-23 18:23
| 旅
鎌倉の華*利玄巡礼(Rigen Pilgrimage2)
木下利玄(1886-1925)の歌碑を見た後、鎌倉駅行きのバスに乗り
鶴岡八幡宮で途中下車しました。
海へと続く鳥居の列と市街を見晴らした後、神苑へ。
御簾垣、太湖石、藁囲いの内の正月牡丹を賞でました。
新七福神
わが愛の歌人、木下利玄は牡丹を愛し、
庭に植えたり室内に生けたりして、多くの歌を詠みました。
とりわけよく知られた一首は…
牡丹花は咲き定まりて静かなり花の占めたる位置のたしかさ
木下利玄
牡丹の色も数も、読み手の感覚にゆだねられています。
牡丹は平安時代初頭、空海によって唐から伝えられ、
薬木として寺院で栽培されました。
青き海わたるやまとの坊さんの膝にまどろむ
ぼうたんの株 (2018年詠)
(One tree peony was sleeping on one Japanese monk’s knees
who was on the way home from China beyond the blue ocean.)
利玄忌(2月15日)に寄す(利玄に代はりてsnowdropが詠める二首)
家族(うから)の藁屋根にふる日光のうたびととして生きたかりけり
白秋らの「日光」の創刊同人となった翌年の旅立ちでした
利福(としとみ)よお前の三つの誕生日指六本を折りつつぞ待つ
2月15日は三男利福の三才の誕生日の六日前でした
おまけ*薬草図鑑を見ると、殆どの植物に薬効がある事が分かります。
中世ヨーロッパでは薬草に詳しい女性が魔女と恐れられたりもしました。
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by snowdrop-nara
| 2024-02-16 22:16
| 旅
鎌倉の竹*利玄巡礼(Rigen Pilgrimage1)
報国寺は1334年建立の禅宗(臨済宗建長寺派)の寺院です。
孟宗竹の庭が名高く、「竹の寺」とも呼ばれます。
けれども、snowdropのお目当ては竹でも、お茶席でもありません。
大正の歌人、木下利玄のお墓参りをするべく
東京歌会から足を延ばしてやって来たのです。
(いざ鎌倉!)← 気合い満々
ところが、利玄の墓は東京の谷中霊園に移されていました。
かつて分骨されていたのが、まとめられたのですね。
嗚呼、東京ならば昨日まで滞在していましたものを…
昼餉も後回しにして、バスでやってきたsnowdrop、
全身から力が抜けてしまいました。
せめて墓地の遠景を鐘楼と共に記録しておきましょう。
(手前は五輪塔です)
幸い、竹の庭の利玄の歌碑はそのままでした。
「あるき来てものゝふ果てし岩穴のひやけきからにいにしへおもほゆ」
利玄にしては雄渾な歌ですね。もののふ(武士)とは?
歌碑の向こうに、足利一族の墓(やぐら)が見えます。
開基の足利家時や、永享の乱(1438)で自刃した義久の墓です。
「岩穴」はこのやぐらを詠ったものとされます。
je me souviens
de Chimonanthus praecox
d'or en France
chaque fois que
l'anniversaire de ta mort s'approche
竹の庭を見ながら休耕庵で一服。お客さんは数人だけ。
ハイシーズンには混み合うそうですが…
川端康成は報国寺の寺領に数年住んだことがありました。
そのころ執筆されたのが『山の音』、
snowdropの90代の恩師が毎朝読んでいるという小説です。
独特の危うい文体が味わい深いのだといいます。
成瀬巳喜男監督により映画化されました(1954年)
報国寺もロケ地になっています (google search)
(All Rights Reserved)
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by snowdrop-nara
| 2024-02-11 21:11
| 旅
長谷吟行(composing tanka on Hase)
歌集『蓬莱橋』(引用は太字)を道標に、
snowdropの東(あづま)吟行の始まり。
そのめぐり善男善女群れつどひ露座の大仏青空に映ゆ 伊東一如
#
by snowdrop-nara
| 2024-02-04 15:04
| 旅
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