プルーストの朝ごはん(le petit-déjeuner de Proust)








#
by snowdrop-nara
| 2025-12-18 05:18
| 旅
空と風と音楽と詩(sky, wind, music, and poetry)

奈良の和風教会(日本聖公会奈良基督教会)が
星やリースに飾られてクリスマスを待っています。
いにしえよりの国際都市、奈良にふさわしい催しが
待降節の土曜日にとり行われました。
井田泉司祭の愛する詩人、尹東柱(ユン・ドンジュ)の詩の朗読(日韓)と
彼の故国で最も愛される二つの讃美歌(日韓)の独唱、それに器楽
(オルガン、ピアノ、ライアー、トーンチャイム、リコーダー)です。
祭壇に尹 東柱(1917-1945)の生前の写真が飾られています。
ソウルの延禧(ヨニ)専門学校(現在の延世大学校)の角帽姿。
彼はこの後、日本へ渡り立教大学と同志社大学で英文学を学びます。
その詩には、リルケ(独仏)やフランシス・ジャム(仏)も出てきます。
snowdropとは国も時代も異なるのに、同じ詩人を愛していたのですね。
長老派(『赤毛のアン』でおなじみ)とプロテスタントも近い宗派です。
初めて彼の詩集をひもといた時から、親近感を覚えてきました。
歌友が評伝を訳した詩人、白石(ペクソク)(1912-96)とは5才違いです。
彼らと同世代の日本の詩人に、立原道造(1914-1939)がいます。
佩(ペ)、鏡(キョン)、玉(オク)異国をとめの名をつらね
詩を書きしひとジャムのごとくに
恥ずかしき名とはつつましさのゆゑに或いは平沼とふ創氏ゆゑ
詩のテキストは井田泉司祭の翻訳とハングル原文からなります。
ハングルを井田司祭、日本語を薄井良子さんが朗読します。
その日の青空に映える十字架が詩のテキストと重なります。
尹 東柱の詩には青空(風)がよく出てくるのです。
秋の空のように澄んだ心の持ち主であったのでしょう。

朗読にさきだつリード・オルガンの言葉なきこゑ、その息づかひ
leading the recitation,
a reed organ is played
with a voice
without words and
with human breathing
明東(ミョンドン)の小学校の教室にも一つありけんリード・オルガン

井田司祭の詩の言葉そのものへの愛が
お話にも、ご自身による翻訳にも、あふれていました。
「天」と「空」の区別からは
キリスト者による翻訳というものを考えさせられ、
「三冬」(初冬;仲冬;晩冬)の訳出には
二十四節句のいまだ残る古都ならではと感じます。
むかしハングルの勉強に挫折したsnowdrop、
西洋言語の詩学と翻訳を勉強したことがあるだけですが
一つ一つの単語の音を噛みしめるように朗読する井田司祭に
深い共感を覚えます。
学生時代に見た「バベルの塔」(ウィーン美術史美術館)(google search)
バベルの塔は天の恵みかもしれず文字(もんじ)も音も異なる言語
十字架降下(ルーベンス原画)
最後に朗読された「春」は「青ーい天はゆら、ゆら、と高いのだが…」
で途切れています。続きは、
詩稿を託された友人にも危険が迫り破棄された、と岩波文庫版にあります。
こんな繊細な詩の世界まで敵視し、弾圧して維持する治安とは何でしょう。
詩人が若き命を奪われた福岡の刑務所はどんなにか寒かったことでしょう。
1945年2月16日、享年27歳。
今日は詩人の月命日です。
シューベルトの「冬の旅」の寒からうライアーの音(ね)は雪片めきて
オルフェウスの竪琴(リラ)の流れをくむらんかケースのS字に七本の絃
ハングルの歌詞のひびきの不思議なり姉といふにはとほき言の葉
『赤毛のアン』のモンゴメリも長老派カナダの宣教師ら半島へ
西日さす木の聖堂の幻想曲平和のいのりを新たにせんと
やまとなる聖公会の祭壇の唐(から)の錦や七宝の壺
#
by snowdrop-nara
| 2025-12-16 07:16
| 芸
まんたろさんのパーラー(ハト旅 🕊 間奏曲)
「湯豆腐やいのちのはてのうすあかり」という名句で知られる
久保田万太郎の命名したパーラー「扉」を訪ねました。
歌友のお母さまのお勧めのお店です。
まんたろさんのイメージに合わせ、和風カレーを注文。
厨で煮込んだ出汁入りカレーはさっと運ばれて来ました。
黒いお丼の底まで熱々で、まさに葱豚汁のまろやかさ。
七味が要らないほど辛味もあって、あったまりました!
鎌倉の旅の扉にふさはしき扉ビルとはなんと自社ビル
まんたろさんを偲びて選ぶまろやかな出汁入りカレー丼入りの
パーラーの壁の土鳩の絵をみつめお持ち帰りの鳩サブレひとつ
せつかくだから袋も手提げも断らず鳩サブレ―をだいじに運ぶ
国産のバタと卵でこさへたる鳩サブレ―の後味すなほ


#
by snowdrop-nara
| 2025-12-11 05:11
| 旅
小さなオルガンのつぶやき~間奏曲(tweet of a little organ~interlude)


この教会の水仙が咲きそろった頃、私はここへやって来ました。
蓋の無い私のために、きれいで丈夫な布を被せてくださいました。
フランスから五月に帰国したsnowdropが一首詠んでくれました。
くれなゐの花の白布かづきたる乙女とみゆる木の風琴は

アドベント(待降節)第一主日拝、
礼拝堂ではsnowdropの奏楽で午前の礼拝が行われ、
お昼には聖歌隊が燭火礼拝の奏楽の練習に励んでいました。
一方 祈祷室では、礼拝後小さな祈祷会がもたれた後、
snowdropのお友達が扉のそばのベンチに到着するなど、
いつもとさほど違わない静かな時間が流れていました。

礼拝堂では、snowdropのささやかなオルガン演奏会が始まったようです。
アーレン社のオルガンで、パリの印象を弾き表そうとしているのですね。
カルティエ・ラタンの教会で聴いた、フランクの「天使のパン」。
アルザス生まれの作曲家、ボエルマンの「ゴシック組曲」(1, 3曲)。
礼拝堂の木の穹窿が、ゴシックの夢をあたたかく受けとめてくれるでしょう。
お友達の声のイメージで選んだ、フォレの「ピエ・イエズ」。
午後の陽射しと「パストラーレ」の響きにうとうとしかけた時、
パタパタと足音が聞こえてきました。えっ、私の出番?!
J.S.バッハ「パストラーレ」は、二曲目からは手鍵盤だけで弾けます。
一曲目の後、お友達にも私の声を聞かせたい、と移ってきたのですね。
音栓(ストップ)が少ないから、レジストレーションもし易いですし。

第二曲はフルートストップで羊飼いの笛を表し、
第三曲は第一鍵盤(下段)と第二鍵盤(上段)で
雪の中の歩みと祈りの声とを弾き分けようとしています。
(上昇する音型はマリアさまの思いでしょうか)
第四曲は師匠がストップを足すと、響きが豊かになりました。
このアレグロの楽章は七日しか練習できなかったそうですが、
何とか弾き切りました(私も早口で歌い切りました)。Brave !!
師匠もオルガンに向かい、クリスマスの歌や讃美歌を弾いてくれました。
奏楽者姉とお友達のソプラノ、snowdropのアルトがハモります。
まあ、こんなにぎやかな午後はここへ来て初めてです! 主よ~♪
アドベントの魔法、それにsnowdropの天の父母の見守りのお蔭?
彼女はこんな歌も詠みました。
父母のねむる納骨堂へ駆けてゆく吾らを見おくる兄姉奏者

オルガンに代りて詠める
木製のペダルをぐいぐい踏まれたら腹の底から地声の出たり
in place of Okano Organ
being pedalled hard
on my two wooden pedals,
my chest voice
suddenly came out
from the diaphragm
#
by snowdrop-nara
| 2025-12-04 05:54
| 冬
プチ植樹祭(間奏曲)


根のみ抜くは草引きのとき 栴檀のなじみてきたる土ぐるみ掘る
朝じめり土のぬくみを慕ひをりし蚊どもの舞へど羽音は立てず
木にわろき粘土(ねばつち)でせうと尋ぬればまあまあですと庭師のこたふ
年ごとに流暢になるイスラエルびとの日本語流石(さすが)は棟梁
every year
the Israeli gardener
speaks Japanese
better and better
great, leader gardener!
垣を越え庭へ入りたる栴檀の根から芽吹きし四本の苗
ちりとりに待つ栴檀の二株のうち一株は実生なるらし
栴檀の穴を落葉で埋めておくトリュフを掘りし森の土のごと
after digging out
a sapling of sandalwood,
the hole
was filled with fallen leaves
like the one after harvesting a truffle
プチトマトみのりし父の菜園の肥えたる土が楝(あふち)を迎ふ
ささやかなる植樹の祭り終りたり万聖節の落葉(らくえふ)のなか
庭の柿を庭師と小鳥とわたくしと分け合ひにけり今年の秋も
焼酎をおしりに塗りて数週間KAKIの天然ジュレをあの子へ
一本だけ庭に生えていたすすきの穂が開いてきました。
小布施の栗きんとん&巴里の最後のインスタントコーヒー
残り少なくなったエアフランスのコニャックを入れて☕
庭のススキ(A silver grass in the garden)↑
(All Rights Reserved)
#
by snowdrop-nara
| 2025-11-28 05:28
| 秋
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